ミドル・スクールの同級生、Robert Smith、Laurence Tolhurst、Michael Dempseyの三人によって結成されたThe Cureの記念すべきデビューアルバム。
PolydorのA&Rマン出身のCris Parryが当時設立したばかりのFiction Recordsからリリースされた。
曲はスカスカで、Robertのボーカルもまだ垢抜けておらず、ウォール・オブ・サウンドと化した80年代半ば以降のCureから入った人だと、かなりびっくりしてしまうような内容かもしれない。
しかし、デビュー曲"Killing An Arab"(※)のB面曲"10.15 Saturday Night"を始めとして、現在でもライヴで演奏されている曲も数多く、まさしくCure(=Robert)の原点となるアルバムであるといえよう。
また、Robert以外のメンバーが単独でヴォーカルをとる曲が収録されている唯一の作品でもある。(Michealがヴォーカルをとった"Foxy Lady"(Jimi Hendrixのカヴァー)がそれ。Robertが自分の作った詞を他の人間に歌われるのを嫌ったため、カヴァー選曲となった。)
奇抜なスリーヴデザイン(冷蔵庫、電気スタンド、掃除機が写っているだけ)、曲名が記号でしか表されていないなどの抽象的なコーディネイトはプロデューサーであるCrisのアイデアで、Robertたちの思惑とはまったく別のところで決定されていたらしい。
ちなみに、この時期の代表曲として有名な"Boys Don't Cry"は本作に収録されていない。
(オリジナルアルバムには未収録。本作のUS向け編集盤"Boys Don't Cry"かシングル・ベスト盤にしか収録されていない。)
(※)デビューシングル"Killing An Arab"(Coaltar Of The Deepersがよくカヴァーしている)は、カミュの「異邦人」をモチーフにして作られたとのことだが、"アラブ人を殺す"という余りにもアレなタイトルのため、米国では湾岸戦争期や先のイラク戦争時などに度々放送禁止になっている。
同曲が収録された海外盤などではわざわざ"この曲はアラブ人に対して敵意のある内容ではないよ! (適当)"みたいな以下の但し書きのシールが貼られていた。
The song KILLING AN ARAB has absolutely no racist overtones whatsoever. It is a song which decries the existence of all prejudice and consequent violence. The Cure condemn its use in furthering anti-Arab feeling.
収録曲
01: 10.15 Saturday Night
02: Accuracy
03: Grinding Halt
04: Another Day
05: Object
06: Subway Song
07: Foxy Lady
08: Meathook
09: So What
10: Fire in Cairo
11: It's Not You
12: Three Imaginary Boys
13: The Weedy Burton
参加メンバー
Robert Smith
Michael Dempsey
Laurence Tolhurst
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