(2023/11 最新情報を反映)
初代:Matthieu Hartley(マシュー・ハートリー)
1960年2月4日、英サリー州スモールフィールド生まれ。
Simon Gallupと共に79年12月にMagspiesからThe Cureに加入。
80年3月にRobert Smithとの音楽的志向の違いから脱退した。
記念すべき脱退第2号。
アルバムとしては80年の2nd"Seventeen Seconds"のみの参加。
モノクロームで淡い音色を得意とした。
ちなみに脱退後、Lol Tolhurstがキーボードに転向するまでライヴでは、RobertやSimonが何とかやりくりしてキーボードを担当していた。
以下、1994年当時のRobertのコメント。
「マシューとは恐らく、物理的に最も緊迫した関係にあったんじゃないかな。僕とマシューとサイモンは、よくちょっとした喧嘩をしたんだ。酔っ払って、バーの床を転げ回ってね。現実には、オーストラリアのツアーをやって、それが終わりだったようなもんだよ。でも、今でもマシューとは話をする。僕らと一緒にツアーに来て、5日間一緒にバスに乗っていたこともあるんだ」
2代目:Lol Tolhurst(ローレンス・トルハースト)
82年の"Pornography"の後、自身のドラマーとしての可能性に見切りをつけたLolはキーボードへの転向を決意。
今後バンドのサウンドにおいてキーボードの重要性が高まることを見越したのか、それとも指一本で何とかなりそうな気がしたのか、残念ながらそれは知る由がない。
しかし、レコーディングではほとんどRobertが弾いている節があり、ライヴでは比較的難しい部分はPorlが(ギターを抱えつつ)弾いてたりと全く活躍しているそぶりが見られない。
86年のライヴビデオ"The Orange"では1曲目が終わった途端に水飲みにとか行ってるし!
唯一特筆に価すべき点としては、弾いていないときの暇な時間帯に見せる前屈ポーズでしょうか。
そんなわけで、すっかりバンドのお荷物と化すのと同じくしてアル中や薬物依存が酷くなり、突然失踪してライヴに穴を開けるなどした結果、89年の9th"Disintegration"のリリースと同時期に解雇された。
いくら貢献度0とはいえ、オリジナルメンバーであり幼馴染でもあるLolのクビを切るのはRobertも相当断腸の思いだったらしく、この時期精神が不安定になり解散を口走っている。
(もちろん、後に撤回。)
その後94年にギャラの不当性を訴えてRobertとFictionレーベルオーナーCris Parry相手に裁判を起こしたが敗訴し、活動の拠点をアメリカに移している。
Robertとは、00年5月に歴史的和解を果たした。
現在は伴侶のCindy Levinsonと共にLevinhurstというバンドで活動中。
私事だが、The Cureを聴き始めの頃、その名前とキーボード担当ということから、勝手に美青年を思い描いており、バンドの写真を見た際に本物のLolをスタッフの人かと思っていた。
若気の至りである。
以下、1994年当時のRobertのコメント。
「なんだって僕がやましい気持ちにならなくちゃいけないんだい?だいたいが、ロルはザ・キュアーで散々いい思いをしたのに、今じゃすっかり辛辣になってしまったんだよ。そんなの、僕にもサイモンにも関係のないことだ。彼が置かれていたプレッシャーより大きくはないにしても、僕らだって同等のものをこうむっていたんだから……。彼がはなはだしい性格破綻をきたしたとしても、それは僕のせいじゃない」
3代目:Roger O'Donnell(ロジャー・オドネル)
1955年10月29日、英ロンドン生まれ。
Boris Williamsの紹介により87年10月から参加。Thompson TwinsでBorisと一緒にプレーしたことがあり、その縁という。
The Cure参加前はThe Psychedelic Fursのサポート。
7th"Kiss Me, Kiss Me, Kiss Me"はバラエティ豊かなアルバムでキーボードの重要性が増していたが、すでにLolが使い物にならなくなっていたためにRogerが呼ばれたようだ。
レコーディングには参加しておらず、リリースのKissing Tourからの参加。
よって、この時期のThe Cureは過去最大規模の6人組となっていた。
さすが本職の人だけあり、非常に流麗なプレイをする。
彼が参加した8th"Disintegration"リリース後のPrayer Tourは、今でも珠玉の出来であるとファンの間では語り草になっている。
90年に脱退するが、理由はいくつか語られていて、どれが真相かは不明。
確認できたものを以下に挙げてみる。
1. 8th"Disintegration"のテープセッションでRogerの持ってきたジャズロック風の楽曲にRobertがケチを付けた。1.と2.が両方とも本当だとすると、時間差の複合技だ。これだとRobertとSimonの共犯になる。
2. 9th"Wish"のテープセッションにてSimonがケチ付けた。
3. どうしても相容れないメンバーがいた。
3.はRobertの発言だが、これが一体誰を指しているのかは明言はしていない。
状況証拠による消去法での第一容疑者はPorl Thompsonなのだが。
以下、1994年当時のRobertのコメント。
「ロジャーはしばらくいたけど、残念なことに上手くいかなかった。グループのほかのメンバーで、相容れない奴がいたもんでね。でも、それは僕とは何のかかわりのないことだった。彼とは今でもすごくいい友達だよ」
4代目:Perry Archangelo Bamonte(ペリー・バモンテ)
1960年9月3日、英ロンドン生まれ。愛称は"テディ"。
(由来は、彼が小首を傾げる姿がテディベアによく似ているからでそうで。)
元Robertのギターローディで、Lolが失踪した際にはその代役で"The Caterpiller"のバイオリンを担当したこともあった。
Roger脱退後、不在となったキーボーディストの座に就く。
しかし、それまで一度もキーボードは触ったことがなかったPerryがなぜキーボード担当になったかというと、メンバー間での争いに辟易していたRobertがその人柄で選んだのだという。
確かにとても素直で温厚そうな彼の人柄は、92年の映像"Play Out"で垣間見られる。
Robertに髭剃りを貸して欲しがっているものの、中々言い出せないその様は腐女子が見たらきっとツボに嵌ってくれることでしょう。
キーボード未経験ながら、猛練習したお陰で若干拙いながらも無難にこなしている。
さらに元々はギタリストであるので、ライヴでは曲に合わせてサイドギターも披露している。
(歴代唯一のレフトハンド。)
93年にPorlが抜けたことで、それ以降はギター専任となった。
キーボードとしての参加は9th"Wish"のみ。
5代目:Roger O'Donnell
Porlが脱退し、Perryが晴れてギタリスト専任になったため、Robertの「前回の脱退は自分の問題ではない。他のメンバーで相容れない奴がいたためだ。」という発言により、無罪放免で復帰と相成った。
復帰後は、96年の10th"Wild Mood Swings"から04年の12th"The Cure"まで参加。
11th"Bloodflowers"やライヴDVD"Trilogy"での重厚かつ流麗なキーボードは本当に素晴らしい。
Cure歴代キーボード担当の悩みとして、キーボードが必要ない曲の間をどう過ごすか?というものがある。
Lolは得意の前屈体勢で暇をつぶし、Perryは元々ギタリストなのでギター弾いてたが、生粋のキーボーディストであるRogerは基本突っ立ってるか、タンバリン叩いたりしてた。
98年の"Galore"の辺りから禁止令が解けたのか(?)、ギターパートをキーボードをアレンジして弾きはじめ、00年の"Dream Tour"ではついにギターに手を出した("Open")。
その涙ぐましい努力に世のRogerファンは涙したが、12th"The Cure"で音が全然聞こえなくなって、「あれ?」って思っていたら05年に突然解雇されてしまった...。
その後、ソロ活動で2枚のアルバムをリリース。
現在も鋭意活動中である。
6代目:Roger O'Donnell
2011年5月に行われた初期三作を再現する"Reflections"にゲスト扱いで参加し、すわ雪解けかとファンを驚かせたのも束の間、9月に英国のワイト島で行われたフェス"Bestval"で正式に復帰。
3度の加入、2度の脱退は前身バンド"Easy Cure"時代を入れてもSimon、Porlに並ぶタイ記録。
"Bestival"では演奏がなんとなく遠慮がちに見えたが、2012年のサマー・フェスティバルではかなり安定している。
2012年7月現在では、次作(14thアルバム)への参加がほぼ決定している。
2023年11月からスタートした "Shows Of A Lost World" ツアーの南米公演では、「深刻な健康上の問題」のため不参加。ロンドンにて「最高の医師」の治療を受けているとのこと。
元気になってバンドに復帰することを願う!
おまけ1:Lol Tolhurst
6代目Rogerの項でも触れた2011年の"Reflections"にRogerとともにゲスト参加。
なんと22年ぶりのバンド復帰である。
楽しそうにパーカッションを叩く彼の姿に涙した往年のファンは数知れず...と言われる。
Rogerのように正式に復帰というわけにはいかなかったが、とりあえずおめでとうLol!
おまけ2:Mike Lord
おまけ1:Lol Tolhurst
6代目Rogerの項でも触れた2011年の"Reflections"にRogerとともにゲスト参加。
なんと22年ぶりのバンド復帰である。
楽しそうにパーカッションを叩く彼の姿に涙した往年のファンは数知れず...と言われる。
Rogerのように正式に復帰というわけにはいかなかったが、とりあえずおめでとうLol!
おまけ2:Mike Lord
2023年11月19日にメキシコでスタートした "Shows Of A Lost World" ツアーの南米公演で、「深刻な健康上の問題」の治療のためツアーに参加しなかったRogerに代わり参加。
Mikeは少なくとも2014年かそれ以前からRogerのキーボードテクニシャンを務めていたそうだ。
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