2008年9月14日日曜日

The Cure/Disintegration

1989年。8thアルバム。





日本盤の帯の文句は、『ロバート・スミス曰く「今、ザ・キュアーにできないことは何もない……」ネオ・サイケデリック空間に浮遊するリリシズムを秘めた透明な抒情性。ザ・キュアー流美意識の表現。』

"Dark Trilogy"シリーズの第二作目にあたり、甘美で繊細、ダークで絶望的な楽曲群で構成されながら、全世界で300万枚以上を売り上げたアルバムである。

前作"Kiss Me, Kiss Me, Kiss Me"は、バラエティー豊かな楽曲を揃えてバンドの可能性を押し広げ大ヒットしたアルバムであり、周囲からは今後もCureは同様の路線を突き進んでゆくと思われていた。

しかし、Robert Smithからの回答はその真逆、原点回帰ともいえる、かつて暗黒期の"Faith('81)"や"Pornography('82)"を髣髴とさせる陰鬱な作品であった。

完成したアルバムを聴いたレコード会社は狼狽し、Robertに再考を迫ったが、Robertは聴く耳を持たず半ば喧嘩別れしたような状態でアルバムはリリースされた。

ところがレコード会社の思惑とは逆に、アルバムは全世界で大ヒットし、特に熱狂的に受け入れられた南北アメリカ大陸ではThe Cureはスタジアム級のモンスターバンドと化した。

このヒットを受けて、ツアーは長期に渡って繰り広げられることになり、メンバーは徐々に疲弊していく。

そして、ツアーラスト、本国ロンドンのウェンブリーアリーナでのライヴでRobertはバンドの解散を告げる...。

人々はCureの終焉を胸に刻んだが、この後何事も無かったかのようにシングル"Never Enough('90)"で復活している。

Cureは活動のターニングポイントとなる時期に"Dark Trilogy"シリーズを発表し、解散を宣言をしているが、もちろん実際に解散したことはない。

Robertは、ストレスがある一定ラインを超えると自己防衛本能が働いて、一回リセットしたくなるようだ。それが解散宣言という形で具現化していると言える。

このアルバム製作中にRobertは幼馴染でバンドのオリジナルメンバーでもあるLolを解雇しており、加えて1959年生まれのRobertは当時丁度30代に差し掛かるところで非常に不安に苛まれていたという。そういったこともこのアルバムの雰囲気や解散宣言に関連しているようだ。

最後に、本アルバムで特筆すべきは、売れるフォーマットというものから逸脱しながらも全世界で大ヒットしたということだ。(300万枚以上売り上げた。)

シンセサイザー・オーケストレーションを前面に出し、ミドルテンポで演奏部分が長い楽曲を中心に構成しながら、特に南米で熱狂的に受け入れられ、コンサート会場では暴動が起こったほど。恐るべし南米人。

このアルバムにより、Cureはアーティスト性と商業性という相反する二つの要素を持ちあわせた希少なバンドへと昇華することになる。

収録曲

01: Plainsong
02: Pictures Of You
03: Closedown
04: Lovesong
05: Last Dance
06: Lullaby
07: Fascination Street
08: Prayers For Rain
09: The Same Deep Water As You
10: Disintegration
11: Homesick
12: Untitled

参加メンバー

Robert Smith (Voice, Guitar and Keyboards)
Simon Gallup (Bass and Keyboards)
Boris Williams (Drums)
Porl Thompson (Guitars)
Roger O'Donnell (Keyboards)
Laurence Tolhurst (Other Instrument)


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