The Cure/Kiss Me, Kiss Me, Kiss Me

1987年。7thアルバム。





日本盤の帯の文句は、『一度聴いて、やみつき、二度聴けば中毒・・・ザ・キュアーのポップでラジカル、エキセントリックな音世界。全世界で人気急上昇、イギリスの5人組ロック・グループ、ザ・キュアーのダブル・アルバム。』

"Let's Go To Bed('83)"からの一連のポップ路線の集大成とでもいうべき全17曲入り(LPは18曲入りで二枚組)の大作。

The Cureというバンドが持つ可能性と魅力を炸裂させた内容でヒットした。

バンドメンバーが積極的に曲作りに参加したのもこのアルバムからで、Simon Gallupの"The Perfect Girl"やPorl ThompsonとBoris Williamsコンビによる"Fight"など、各メンバーの個性が出ていて面白い。

また、このときのツアーからRoger O'Donnellが参加しており(Thompson TwinsにBorisと共にサポート参加していたのがきっかけとのこと)、Lol Tolhurstとのキーボード二人体制となってライヴの完成度が一段と増した。

この"Kiss Me～"から92年の"Wish"までがThe Cureの黄金時代だと思う。

実際日本の音楽誌でも度々表紙を飾るなど、非常に注目を浴びていた。

この時期に来日公演が行われなかったのが残念でならない...。
(何故かプロモーション来日はしている。)

The Cure初心者はこのアルバムかベスト盤(シングル集)から入るのが良いと思う。

そして、忘れてはならないのがビデオクリップ。前作に引き続きアイディアとユーモアに溢れた傑作が制作されている。

特に"Why Can't I Be You?"は必見！初めて観たときは余りに面白すぎて腹を抱えて笑った。観終わったあとはなんとも幸せな気分になったものだった。

# 歌詞について
本作はバラエティ豊かな内容だけあって、歌詞も様々。
中でも日本語翻訳の豪快な病みっぷりは特筆に価する。以下にその一部を記してみる。

"The Kiss"
こんな事は望まなかった
こんな事望んだ覚えはないぜ
お前なんか死んじまえばいいんだ
お前など……

こんな結果は望まなかった
お前など死んじまえばいいのさ
死ね死ね
死ね
死ね

"Torture"
こんな風に
吸血コウモリのようにブラ下がり
こんな風に
お前の背中にしがみつき
ああ拷問
俺はもうちょっとでいく

ああ拷問
でも俺はいっちまいそうだ
ああ拷問
でも俺はいっちまいそうだ
ああ拷問
でも俺はいっちまいそうだ

"Shiver And Shake"(※)
お前なんか時間のムダさ
オシャベリ女め
デキモノみたいにはびこる3つの穴
ボロくずさ
床を這うナメクジみたいだぜ
役立たずの醜い女
能ナシのブス
寒けがするぜ
お前の気持悪さを思うとな…

(※)Lolについての歌詞だとか...。

収録曲

01: The Kiss
02: Catch
03: Torture
04: If Only Tonight We Could Sleep
05: Why Can't I Be You?
06: How Beautiful You Are...
07: Snakepit
08: Hey You!*
09: Just Like Heaven
10: All I Want
11: Hot Hot Hot!!!
12: One More Time
13: Like Cockatoos
14: Icing Sugar
15: The Perfect Girl
16: A Thousand Hours
17: Shiver and Shake
18: Fight

* Only vinyl edition

参加メンバー

Robert Smith (Voice and Guitar and Keyboards)
Simon Gallup (Bass)
Porl Thompson (Guitars and Keyboards and Saxophone)
Laurence Tolhurst (Keyboards)
Boris Williams (Drums)