1984年。5thアルバム。
日本盤の帯の煽りは、『新生ザ・キュアー始動!!二年ぶり、待望のオリジナル・アルバム。』
この頃のRobertはまるで"Pornography"期の嫌な思い出を払拭するかの如く、精力的に動き回っていた。
まずライヴ活動を休止していたCureのリハビリ的な一連のエレクトロ・ポップシングル群(通称・ファンタジー三部作、"Japanese Whispers"収録)のリリース。
これは"Pornography"の制作とその後のツアーで疲弊しきっていたRobertに、所属レーベルFiction RecordsのオーナーCris Parryが気分転換をかねて制作を勧めたらしい。
それからSiouxsie & The Bansheesへの正式加入。
元々準メンバー的な立場でツアーサポート参加などをしていたが、Cureの休止に際し請われて正式メンバーとなった。音源の制作からライヴ、来日公演も行っている。
更に、BansheesのSteve Severinとのバンド・The Gloveの音源制作。
そして、本家 Cure の再建。
一時はCureを解散させて本気でBansheesに尽力するつもりだったらしいが、結局RobertはCureをとった。(Siouxsieたちは不満たらたらであったが。)
Cureの再開のきっかけは、前述したシングル三部作が予想以上のヒットとなったことが一因であろうと思われるが、当初はBansheesとの並行も考えていたようだ。
しかしBansheesのアルバム"Hyena"('84)と"The Top"の制作が重なって、さすがのRobertも限界を感じ、Cure一本に絞ったらしい。(余りの多忙に、ほとんどドラッグとアルコール漬けだったとか。)
活動再開にあたりRobertはLol(※"Let's Go To Bed"('83)以降従来のドラムからキーボードにパートチェンジしている。詳しくは後述。)に加えて、前身バンド・Easy CureのギタリストであったPorl Thompson、The Gloveにも参加していた黒人ドラマーのAndy Anderson、"Pornography"のエンジニアを務めたマルチプレイヤーのPhil Thornalleyの三人を召集し、新生Cureとした。
この面子でアルバム"The Top"を制作し(とはいえ実質はRobert一人で作られた。)、更には初来日公演も行われた。
ちなみにこの来日中にAndyが飲酒トラブルでクビになった。
また、宿泊したホテルの前で一晩中屋台のチャルメラの音楽が鳴り響いていてRobertが眠れなくて日本嫌いになったなどという、まことしやかな伝説が作られたりもした。
(※)Lolのパートチェンジについて
"Pornography"制作時にドラマーとしての可能性を全て出し尽くして限界を感じ、キーボードへの変更を決意したという。
("Let's Go To Bed"のリズムがどうしても叩けなかったという説もある。)
RobertはLolのドラムについて、リズム感が皆無、パワー不足などと徹底的にこき下ろしてしている。
"Pornography"のレコーディングでは迫力不足を補うため、Lolの横からRobertとSimonがスネアを叩いていたとか...。
収録曲
01: Shake Dog Shake
02: Birdmad Girl
03: Wailing Wall
04: Give Me It
05: Dressing Up
06: The Caterpillar
07: Piggy in the Mirror
08: The Empty World
09: Bananafishbones
10: The Top
参加メンバー
Robert Smith
Laurence Tolhurst
Andy Anderson
Porl Thompson
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