2008年9月14日日曜日

The Cure/Pornography

1982年。4thアルバム。





初期の最高傑作との呼び声も高い前作"Faith('81)"で、それまでのモノクロームでストイックなミニマルサウンドは一旦の完成をみた。

そしてシングル"Charlotte Sometimes('81)"を跨いで、本作にてリズムマシンとシンセサイザーを大幅に導入し、極彩色がうねるへヴィーでダークなサイケデリック・サウンドへと変貌を遂げる。

プロデューサーは、後に正式メンバーとなるPhil Thornalley。

アムステルダムの娼婦小屋を覗いている場面であるというスリーヴからして、はっきり言ってこの頃のCureは尋常でない。

レコーディングは極度の緊張感の中行われ、バンド内の雰囲気も最悪であったという。

特にRobertとSimonは一触即発の状態となり、結果としてSimonがバンドを去ることになる。

"Trilogy('03)"に収録されているメンバーインタビューにおいて、Simonはこの時期のことを本当に辛そうに語っていた。

20年以上経った現在もかなりのトラウマとなっているほど、状況は酷かったみたいだ。

アルバムの最後で、Robertはこう唄っている。
"I must fight this sickness"
"Find a cure"...

日本ではこのアルバムがデビュー盤にあたる。

帯の文句には、『噂のグループ、ザ・キュアー、遂に日本上陸。病める大英帝国、悶悶たる日々、暗闇の中、階段を這い上がる。』と少々電波気味な文章が書かれている。

また、一昔前の洋楽の日本盤には、レコード会社が勝手につけたと思しき邦題が付いていたのだが、このPornographyのそれが凄まじくて、初めて見たときに衝撃を受けた覚えがある。

一例を挙げると、

One Hundred Years → 血ぬられた百年
The Hanging Garden → 首吊りの庭
The Figurehead → 幻影地獄
Pornography → 殺戮の囁き

当時のCureの日本におけるパブリック・イメージを物語っているといえよう...。

収録曲

01: One Hundred Years
02: A Short Term Effect
03: The Hanging Garden
04: Siamese Twins
05: The Figurehead
06: A Strange Day
07: Cold
08: Pornography

参加メンバー

Robert Smith
Simon Gallup
Laurence Tolhurst


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