83年。
"Let's Go To Bed"('82)、"The Walk"('83)、"The Lovecats"('83)のいわゆるファンタジー三部作のEPを1枚にまとめた編集盤。
最初これらのEPがリリースされていなかった日本で企画されたことから、このタイトルになったと言われる。
後に他の地域でも正式リリースされた。
この時期、"Pornography"('82)のリリース後のヨーロッパ・ツアーでRobert SmithとSimon Gallupの関係は決裂し、ついにはSimonが脱退。
Robertも極度の疲弊からThe Cureに対する意欲を失っていた。
そのため、活動休止宣言を行い、サイドワークに勤しむことになる。
82年8月にSiouxsie & The BansheesのSteve Severinとともに雑誌"Flex Pop"のために"La Ment"をレコーディング。
その後セッションドラマーのSteve Gouldingを迎えて"Let's Go To Bed"を制作した。
原曲はおそらく"Pornography"のアウトテイク"Temptation"であるこの曲は、ディスコ調エレクトロ・ポップというこれまでのThe Cureのイメージとは遠くかけ離れていたため、Robertは別名義("Recur")でリリースすることを考えていたというが、最終的にはFictionレーベルのオーナーChris Parryの説得でThe Cure名義で82年11月にリリースすることになった。
これがシーンには驚きとともに好意的に受け入れられ、The Cureは早くも活動を再開することとなる。
翌83年7月には同じくディスコソングの"The Walk"を、11月にはジャズ調の"The Lovecats"をリリース。
"The Walk"は全英チャートで12位に、"The Lovecats"は10位以内に入るというヒットを記録する。
この一連のヒットによって、RobertとThe Cureは"Pornography"時代の忌まわしき暗黒期から抜け出し、世界的なバンドとなる礎を築いたといえる。
このような経緯から、"Let's Go To Bed"と"The Walk"はRobertの思い入れが強いようで、ライヴの定番として長きにわたって演奏され続けている。
"The Lovecats"はメンバー構成に依存してるのか、演奏する時期としない時期が割とはっきりしている。
あとは"La Ment"を時々聴くことがあるくらいで、それ以外の曲はほとんどライヴでは演奏されていなかったが、2012年に行われたサマー・ツアーで"Just One Kiss"が初めて(!)ライヴ演奏されたことで話題になった。
なお、82年11月から84年5月までRobertはSiouxsie & The Bansheesのギタリストとして活動し、83年2月には来日公演も行っている。
また、Steve Severinとのプロジェクト"The Glove"でもアルバム"Blue Sunshine"を残すなど、八面六臂の活躍ぶりだった。
その影響で、ほとんど睡眠もとれず、ドラッグ漬けになっていたようだが...。
そのため最終的には、サイドワークをすべて封印し、The Cure一本に絞っていくことになる。
続きは"The Top"の項で。
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