1989年リリースのThe Cureの8thアルバム、"Disintegration"のリマスター盤("Disintegration Deluxe Edition")がいよいよリリースとなります。
このリマスターは通常のオリジナルアルバム・リマスターに加え、レア曲を集めた"Rarities (1988 - 1989)"、かつてHMVの特典としてリリースされた(※)"Entreat"の完全版"Entreat Plus"の3枚がセットとなったDeluxe Edition初の3枚組です。
(※日本では通常リリース)
"Disintegration"は数あるThe Cureの作品の中でも特別な存在とされているアルバムで、同じ存在である"Pornography"(82年、4th)と"Bloodflowers"(00年、11th)と共に三部作"Dark Trilogy"を形成しています。
その甘美で繊細、ダークで絶望的な楽曲群は、リリースと共に全世界で熱狂的に迎え入れられました。
ヨーロッパのみならずアメリカ大陸でも大ヒットし、どちらかというとカルト的な人気を博していたThe Cureを一躍スタジアム級のモンスターバンドに押し上げます。
その人気の高さは、かの悪名高き"South Park"の登場人物であるKyleが作中で"Disintegration is the best album ever!(Disintegrationは今までで最高のアルバムだよ!)"と叫んだことからも察せられます。
しかし、この人気が相次ぐツアーの延長を生み、Robertたちを蝕むことになるのですが、それについてはこちらを参照してください。
さて、話は変わり、Disintegrationのリリース時のインタビューにてRobertは
夏のミーティングの時、メンバーそれぞれが曲を持ち寄り、視聴したんだ。笑わないように努力しながらね。30曲ほどあったと思うよ。そのうちレコーディングしたのは17曲。CDには12曲。4~5曲除いたわけだ。と語っています。
レコーディングされた17曲のうち、12曲はアルバムに収録され、それ以外がどうなったかというと、4曲はEPのB面としてリリースされました。"Babble"、"Out Of Mind"、"2Late"、"Fear Of Ghosts"がそれに当たります。
となると残りは1曲で、それが今回の"Rarities (1988 - 1989)"に収録の"Delirious Night"だと考えています。21年ぶりに陽の目を浴びることになったわけで、非常に感慨深いものがあります。
最後に、Track Listを載せておきます。
"DISINTEGRATION: DELUXE EDITION"
Disc One: Remastered Album
01: Plainsong
02: Pictures Of You
03: Closedown
04: Lovesong
05: Last Dance
06: Lullaby
07: Fascination Street
08: Prayers For Rain
09: The Same Deep Water As You
10: Disintegration
11: Homesick
12: Untitled
Disc Two: Rarities (1988 - 1989)
01: Prayers For Rain – RS Home Demo (Instrumental)
02: Pictures Of You – RS Home Demo (Instrumental)
03: Fascination Street – RS Home Demo (Instrumental)
04: Homesick – Band Rehearsal (Instrumental)
05: Fear Of Ghosts – Band Rehearsal (Instrumental)
06: Noheart – Band Rehearsal (Instrumental)*
07: Esten – Band Demo (Instrumental)*
08: Closedown – Band Demo (Instrumental)
09: Lovesong – Band Demo (Instrumental)
10: 2 Late (alternate version) – Band Demo (Instrumental)
11: The Same Deep Water As You – Band Demo (Instrumental)
12: Disintegration – Band Demo (Instrumental)
13: Untitled (alternate version) – Studio Rough (Instrumental)
14: Babble (alternate version) – Studio Rough (Instrumental)
15: Plainsong – Studio Rough (Guide Vocal)
16: Last Dance – Studio Rough (Guide Vocal)
17: Lullaby – Studio Rough (Guide Vocal)
18: Out Of Mind – Studio Rough (Guide Vocal)
19: Delirious Night – Rough Mix (Vocal)*
20: Pirate Ships – RS Solo, Rough Mix (Vocal)*
* Previously Unreleased Song
Disc Three: Entreat Plus
01: Plainsong*
02: Pictures Of You
03: Closedown
04: Lovesong*
05: Last Dance
06: Lullaby*
07: Fascination Street
08: Prayers For Rain
09: The Same Deep Water As You*
10: Disintegration
11: Homesick
12: Untitled
* Previously Unreleased Live Performance
ヨーロッパ盤が発売になりましたね。うちにはまだ届いていないので、今か今かとワクワクしています。
返信削除欧米のサイトでは大変に盛り上がっていますが、それに引き換え日本は・・・ CROSSBEAT最新号にははっきりと「日本盤の発売予定はありません」と書かれる始末で、どうしてこうも扱いが違うのかと疑問でなりません。
私は当時の日本の音楽シーンをあまり記憶していないのですが、『Disintegration』は日本のファンの間では賛否両論で、コアなファンからはそっぽを向かれてしまったという話を聴きました。
欧米ではThe Cure屈指の名盤と言われているのになぜ日本では評価されなかったのでしょう。 この頃日本はバンドブームだったかと思いますが、その辺も影響しているのでしょうか?
素晴らしいアルバムですので、たくさんの人に聞いてもらいたいのに・・・すごく残念です。
StaceyJunさん、こんにちは。
返信削除なるほど、そのような背景があったのですね。
自分はリアルタイムでThe Cureを知っているのはWish以降なので、Disintegrationの頃は雑誌などで確認するしかなく、この頃はまだ表紙を飾っていたりということもあったので、賛否両論だったということは全く窺い知れませんでした。(ちなみに日本の音楽誌に単独で表紙を最後に飾ったのはWishリリース時のROCKIN'ONだと思います。)
個人的には、DisintegrationはThe Cureのコアなファンほど好きになるアルバムだと思っています。かつて存在した日本のファンクラブでも、人気投票では2位が定位置でした。(1位はWish固定でした。)
レコード会社も、過去の経緯は確かにあるとは思いますが、この機会に少しでも多くの人にDisintegrationの存在を知るきっかけを作れるよう、日本盤のリリースを決断してほしいです。
私はNY在住中、MTVで繰り返し流されていたFascination Street に魅了され、
返信削除その時初めてキュアーのアルバムを買いました。
Disintegrationです。
アメリカではとても人気が高く、
続いてリリースされたLullaby、lovesong、Pictures of Youも
PVがひんぱんに流され、どっぷりとキュアー・ワールドに浸る毎日でした。
世界的な大ヒットだと思っていたのですが・・・。
以前キュアーのSHM-CDが出ると発表された時、
最初はDisintegration もSHM-CD化される予定でした。
でも、Deluxe Edition もまだ出ていないのに、先にSHM-CD化されるのはおかしいなと思っていたら
Disintegration のSHM-CD化はなくなりましたよね。
だから順番として、次は絶対にDisintegrstion Deluxe Edition 日本仕様盤が出るのだろうと思い込んでました・・・。
いつか忘れた頃に発売されるかもしれないし、SHM-CD化されるかもしれないですね。
まずは輸入盤を入手して、それを聴きながら気長に待とうと思います。