2023年11月25日土曜日

布袋寅泰とホッピー神山考

このブログではほとんど登場していませんが、私は若いころ、布袋寅泰氏を好んで聴いていました。ただ、ほかのアーティストの作品同様に (私は極端に偏食なので・・・) 、ある時期から違和感を覚えて、そこからは積極的に聴くということをしていません。ちょうど「GUITARHYTHM II」(1991) くらいでしょうか。

また、その一方でホッピー神山氏も大好きでよく聞いていましたが、こちらも「音楽王2」(1992) を最後に離れてしまいました。(以下、敬称略)




で、知っている人はよくご存知かと思いますが、この二人、ある時期まで (と言ってもいまとなってははるか昔ですが) は蜜月と言ってもいいくらい活動が被っているんですよね。

どこまで主体的に一緒に行動していたのかは伺いしれませんが (ブッキング側としてみればロック系で先鋭的かつ捻ったサウンドを出すという括りで同じように見られていたのかもしれません。)、二人で共同プロデュースまでした作品もあったりします。(松岡英明の「Visions of boys」。)

布袋のソロ1stである「GUITARHYTHM」(1988) では、ホッピーとマニピュレーターの藤井丈司の3名だけで作ったというくらいなので、相当の信頼を寄せていたことは確かかなと思います。

しかし、この蜜月関係も「GUITARHYTHM」後に布袋が吉川晃司と組んだCOMPLEXの1st「COMPLEX」(1989) を最後に見られなくなります。

ホッピーはその後、元ルースターズの下山淳とRAELを結成、その後しばらく下山と活動をしていましたが、これもソロ1stの「音楽王」(1991) で途絶えます。その後ホッピーはアンダーグラウンドな活動がメインですが、吉川晃司とはいまでもツアーに参加するなど交流が続いています。

布袋は当時としてはかなり先鋭的なサウンドメイキング力と、日本的な優れたメロディ能力を備えていて、そこに「西城秀樹」似とも言われるキャッチーな声質と天才的な歌唱力を持つ氷室京介が合わさったことで、二人の天才を擁したBOØWYは伝説的な存在となり得ます。

布袋のその才能は、「JUST A HERO」(1986) で全面的に開花し、「COMPLEX」(1989) までトップギアを保ち続けます。しかし、COMPLEX 2nd「ROMANTIC 1990」(1990) あたりから変化を感じます。

言葉にするのはなかなか難しいのですが、先鋭的な部分が薄れて、丸くなったと言うか・・・。ただ、作品のクオリティが落ちたとかではありません。

誤解を恐れず言うと、「MORAL」(1982) あたりから「BOØWY」(1985) までは泥臭さが残っているんですよね。田舎っぽさというか・・・。それが「JUST A HERO」(1986) でいきなり洗練されまくって「COMPLEX」にいたるまではキレまくっている感じがします。

それが、「ROMANTIC 1990」からまた泥臭さが戻ったと言うか。質は違うんですけどね。

これがちょうどホッピーとの蜜月期間が終わった時期と被っているんですよね。必ずしもそれが原因とは思いませんが、布袋の作風の変化によって、ホッピーとの関係が必然的に終焉を迎えたのかもしれません。

「GUITARHYTHM II」以降の布袋を指して、「ダサかっこいい」みたいな評論を見たことがありますが、言葉は違えど何らかの変化を感じている人は少なからずいるのかなと思いました。

で、結局何を言いたいのかというと、布袋とホッピーの関係性を指摘した読み物を目にしたことがあまりないので、改めて書いてみたってことと、私は二人が共演した作品が大好きですってことです!


(以下、布袋とホッピーの参加作品リスト。当ブログ調べ)



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