2010年5月30日日曜日

Curve/Pubic Fruit

1992年。





初期EP三部作"Blindfold EP"、"Frozen EP"、"Cherry EP"に収録されていた楽曲群に1stアルバムからのシングルカット"Fait Accompli"を加えたコンピレーション盤。

Curveのメンバー・Toni HallidayとDean Garciaは、Curve結成以前にState Of Playというエレクトリック・テクノ・ファンクバンドを組んでいたが、うまくいかずにわずか1年ほどで解散している。

それが88年頃で、二人が再開しCurveとしての活動を開始したのが90年の末。それからこのアルバムに収録されている"Blindfold EP"の4つの楽曲をそれぞれ1日足らずで書き上げ、たった1日でレコーディングされたという。

そのエピソードから、この頃の二人が非常に充実していたことは想像に難くない。ようやく納得のいくサウンドを生み出すに至った喜びと、溢れ出すアイディア、それがこのEP群には詰まっている。

"どの曲も同じに聴こえる"と揶揄される彼らだが、この作品はEP集ということもあり、比較的バラエティに富んでおり、かつアッパーで明るい曲が多い。(もちろん、彼らにしては、という接頭句が付くが。)

簡単に各EPを紹介しておく。なお、プロデュースはすべてSteve Osborneが担当している。

"The Blindfold ep"
91年3月リリース。"Ten Little Garls"のラップは当時のレーベルメイト・JC001のもの。また、ミキサーとしてAlan Moulderも参加している。Toniの伴侶でもある彼は、この後2度目の解散までCurveと活動を共にすることになる。
ノイズ・ギター、地を這うようなベース、ダンス・ビートの渾然としたサウンドにToniの妖艶なヴォイスが絡みつく、というCurveのスタイルは、若干荒削りながらも、すでにこの時点でほとんど完成している。"No Escape From Heaven"は歴代の中でも最も明るい曲の一つ。

"The Frozen ep"
91年5月リリース。バンドの充足度を表すかの如く、Toniのヴォーカルが楽曲ごとに様々な表情を見せる。その中でも、タイトル曲"Frozen"は屈指の名曲。こういったアッパーで勢いのある楽曲は、1stアルバムまでしか見られない。

"The Cherry ep"
91年10月リリース。攻撃的なビートの曲が続くが、一転タイトル曲"Cherry"は、狂おしいノイズの奔流と静寂のコントラストが息を呑むほど美しい。この路線は後のSPC ECOに通ずるものがある。

収録曲

01: Ten Little Girls
02: I Speak Your Every Word
03: Blindfold
04: No Escape From Heaven
05: Coast Is Clear
06: The Colour Hurts
07: Frozen
08: Zoo
09: Clipped
10: Die Like A Dog
11: Galaxy
12: Cherry
13: Fait Accompli extended

参加メンバー

Toni Halliday
Dean Garcia

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