2010年8月22日日曜日

Fools Dance/Fools Dance

1985年。5曲入りEP。





Fools Danceは、82年にThe Cureを離脱したSimon Gallupが翌83年に結成したバンド。

元はSimonが、同じく元CureのMatthieu Hartleyらとともに結成したThe Cryというバンドが母体で、同名のバンドがいたため改名して仕切り直しとしたらしい。

Matthieuはこの作品に参加していないので、結成後割と早い段階で抜けたようだ。(その後動物園で働いていたとか。)

ヴォーカルのGary BiddlesはCureのローディー出身で、Fools Danceの後にはLolとともにPresenceを結成している。

Fools Dance、Presenceともに楽曲は良いのにCureのパクリ扱いされ、短命に終わったバンドで、その中心にいたGaryは悲運の人物という印象がある。
(そういえばPresenceも初期にMichael Dempseyが参加していたので、元Cure二人+Garyという構図がFools Danceと奇妙に一致している。)

本作のジャケットに写っているメンバーは、左からSimon、Gary、ギターのStuart Curranの三人。

初めて見たときは「Robertのニセモノがいる!!」と衝撃を受けた。

このジャケはUK盤のもので、他の国でリリースされたものは別のジャケットが使用されている。
(メンバー全員が揃ったものもある。詳細はこちら。)

Simonのネームバリューと、ゴシック色の強い楽曲で、それなりに期待されていたところがあったようだが、結局85年にSimonがCureに復帰したことにより、バンドは終焉を迎えてしまう。

Simonの復帰の経緯についてRobert Smithは、以下のように語っている。
サイモンはそのころFools Danceのベーシストだった。ちょうどミニ・アルバムも出したばかりだったから、僕はFools Danceのメンバーからずいぶん恨まれたよ。でも、僕はサイモンに無理じいしたわけじゃない。彼自身が僕達といっしょにやろうと決めたんだ。僕だってもちろん、サイモンが戻ってきてくれたらいいなとは思っていたけどね。フィルとアンディーでは、真のキュアーとは言えなかったし。

なお、Ron HoweはThe Cureの85年のアルバム"The Head On The Door"にゲスト参加している。("Night Like This")

当時のFools Mateにレビューが載っていて、当時の空気を表していると思われるのでここに引用しておく。
ジャケットをチラッと見て、ちょっと面白そうなバンドは裏ジャケットのデータを見て、レーベル名とかプロデューサーの名前とか、メンバーに知ってる人がいないかどうかとかで、だいたいの見当をつけるというのが、知らないグループのレコードを買う時の基本。今回は裏ジャケを見てサイモン・ギャラップの名前を見つけた時は、「おっ、キュアーのオリジナル・メンバーじゃん」とつぶやいたのだが、一緒に居た某君に「表ジャケットに書いてあるよ」と言われた時には興冷めでした。シールを貼ったりするのは解るけど、「サイモン・ギャラップ/CURE」って刷り込んであるのだから、うーん、情けない。とりあえず、音の方は初期キュアにも聴かれた、ゆっくりとしたテンポのネオ・サイケ・サウンドで、キュア・ファンなら感動モノの作品。音が良かっただけに、こういうコソクなプレイが(しかもCUREという字がひときわデカイ)、とても、とてもミジメなのでした。それさえなければ実に好感のもてる一枚。ミニLP。

Fools Danceの作品(といってもEP2枚しかないが)はLPでしかリリースされておらず、入手が非常に困難だったが、現在はなんとMySpaceで収録曲をほとんど聴くことができる。

すごい時代になったものだ。

収録曲

01:The Priest Hole
02:Happy Families Waiting (At The Skylab Landing Bay)
03:I'm So Many (Talk Talk)
04:Sa'Ha
05:The Don Diddy Song

参加メンバー

Gary Biddles (Vocals)
Stuart Curran (Guitar)
Simon Gallup (Bass)
Pete Gardner (Drums)
Ron Howe (Saxophone)

2 件のコメント:

  1. The Cureのファンサイトを見ておりましたら、2曲目のHappy Families WaitingのボーカルもSimon Gallup氏であるよ、という話が出ておりました。
    YouTubeで聴いた感じでは確かにSimonっぽいのですが、どう思われますか?

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  2. コメントありがとうございます!
    なるほど、"Happy Families Waiting"もSimonヴォーカルなんですか。
    "The Ring"は低い方の声で、"Happy Families Waiting"は高音かつGary特有の唄い方がそれほど見出せないので、分かりにくさがありますね。
    ただ、改めて聴いてみて声質がGaryのものに感じることと、自分が調べた限りではSimonヴォーカルという情報は無かったこともあって、Garyヴォーカルなんじゃないかと思いました。英語版Wikipediaにも「Biddles sang most of the songs that were released by this band, Gallup sang on one called "The Ring". 」って書かれていました。
    Depeche Modeで、自分はよくDavid GahanとMartin Goreどっちが唄ってるのか分からなくなるのを思い出しました^^;

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