SPC ECOは元CurveのDean Garciaの新バンド。
メンバーはDeanの他、愛娘のRose BerlinとエフェクターマニアというJoey Levensonの三人。
ライヴでは旧Curveの面子(Debbie SmithとMonti)に加えてHarry K Gという人物がサポートしている。
Joeyは現在韓国在住でライヴには参加してないようだ。
なお、Joeyは以前には広島の福山に住んでいたそうで、日本語もできるという。
(*追記。Harry K Gの"G"はGarciaの略で、ということはDeanの子息、そしてRoseの兄弟と思われる。もしそうだとすると、フロント3人はGarciaファミリーということでちょっと面白い。)
エンジニアとしておなじみのAlan Moulder(Toni Hallidayの伴侶)も参加している。
バンド名はRolandの名機スペース・エコーから取られているとのこと。
となると読み方は「スペース・エコー」なのかと思うが、「スペース・エコ」としている記事もあり、どちらが正解なのかは現時点では不明。
(日本盤の解説では「スペース・エコ」となっているので、おそらくこちらが正解かな)
サウンドは以前にも書いたが、スペースギターによるフィードバックノイズとうねるベースライン、そしてRose嬢のスウィートなウィスパーヴォイスの組み合わせによる、4ADとシューゲイザーをミックスしたようなもの。
楽曲によっては後期Curveを彷彿とさせるものもあり。
実のところ、SPC ECOを聴くまではCurveのサウンドはDeanとToniの合作と思い込んでいたのだが、そのほとんどがDeanによるものであることが伺えた。
(Toniのソロは全然路線が違っている。)
Curveは第二期以降は一般受けが難しそうな内容だったが、このSPC ECOはRoseのヴォーカルがキャッチーであるため、十分売れる要素があると思う。
Cocteau TwinsやThis Motal Coilなどの4AD耽美系とMy Bloody ValentineやCurveなどのノイズギターといったキーワードにピンと来た人はぜひMy Spaceで音源を一聴してほしい。きっと気に入るはず。
ちなみにCDはUS盤、UK盤と日本盤の三種類があるのだが、US盤("Spotlight")と日本盤("Silver Clouds")にはそれぞれボーナストラックにしか入っていない曲がある。
日本盤のライナーノーツにはDeanによるコメントが載っており、それを基に簡単に全曲を紹介してみる。
"For All Time"
「このアルバムの中でも特に気に入ってる曲。唯一Joeyが参加していないんだけど…。」完成度が高い収録曲の中でも白眉となる曲。
ドリーミーでちょっとダーク、どこか切なくそして甘酸っぱいというSPC ECOの真骨頂が感じられる。
"Shine On Down"
「どこかSpiritualized的なサウンド。そしてゴスペル・テイストが感じられる。ビートもロックとソウルを融合させたよう。」
"Telling You"
「Joeyのドローンなモーフィングで始まる曲。インストゥルメンタルっぽくするために、ヴォーカルは抑え気味。」
"See You Soon"
「ひねりのあるダウンビートに、ギターが渦巻いているような曲。」
"Find It All"
「Joeyがイギリスに1ヶ月間住んでいた時、この曲の基礎を録音した。だからこのアルバムで唯一、僕とJoeyが同じ部屋で演奏している。」
"Another Day"
「My Bloody Valentineに影響されたJoeyのギターが、オープニングを飾っている。この曲で僕は狂気の世界を描こうとした。」1st EPのカップリング曲。
"Special"
「Joeyから送られた音源を聴いて、僕は興奮せずにはいられなかった。そこには自分の理想の素材がいっぱいあったから。そうして初めて作ったのがこの曲だったんだ。」記念すべきSPC ECOの第一曲。Curve時代の欠点は、パーマネントなギタリストが存在しなかったことだと思っている。Joeyのギターはその欠点を補って余りある存在で、DeanのサウンドライティングとRoseのヴォイスにJoeyが加わることにより見事なケミストリーを生み出している。
"You're Alright"
「これは2番目に録音した曲。愛すべきJesus And Mary Chainと、My Bloody Valentineにインスパイアされている。」1st EPのタイトル曲。ちょっとオールディーズな感じもする、シューゲイズな曲。
"Better That Way"
「この曲は僕をちょっぴり壊れさせるんだ。だんだん憂鬱な気分に浸ってきて…。」
"Someting Anything"
「ほかの曲とは違ったオーラを感じさせる曲。Joeyのトラックの中でも、これだけは異彩を放っていた。」確かに、アルバムの中で一種の清涼剤となるような存在。
"Don't Know Ever"
「これはこのアルバムのエンディングを飾る曲。だから古い曲をアップ・テンポに直したらおもしろいと思ったんだ。そうしてChemical Brothers的な、ビック・ビート・エレクトロ・ノイズに挑戦。もともと僕はこのジャンルを好んでいて、Curve時代にも"Chinese Burn"や"Hell Avove Water"で実験している。」
"Silver Clouds"
「奇妙なエレクトロ・シタール・ドローン・マシンと、古いカスタムメイドのダルシマーをAndy Bellが演奏してる。さらに元CurveのMontiがレトロな皮製のドラム・キットを演奏している」Andy Bellは、Ride~Oasis~Beady Eyeのギタリスト/ベーシスト。
収録曲
01: For All Time
02: Shine On Down
03: Telling You
04: See You Soon
05: Find It All
06: Another Day
07: Special
08: You're Alright
09: Better That Way
10: Something Anything
11: Don't Know Ever
Bonus tracks on Japanese version
12: Silver Clouds (Featuring Andy Bell)
13: Telling You (ELO Rub Mix) By Tim Holmes
14: Another Day (Alt Mix) By Alan Moulder
Bonus tracks on EU version
12: Telling You (ELO Rub Mix) By Tim Holmes
13: Shine On Down (Overnight mix) By Alan Moulder
14: Spotlight
参加メンバー
Rose Berlin (Vocals and Lyrics)
Dean Garcia (Bass Drums Programming and Production)
Joey Levenson (Sonica Guitar FX)
はじめまして。わたしもSPC ECO大好きです!!これほどまでに熱く彼らを語っているブログを初めて見ました。http://spceco.bandcamp.com/album/alternative-mixes-and-remixesはフリーDL出来ますよ。超得をした気分です(^^)vローズ・べルリンのウィスパーヴォイスが堪りません!!Slowdiveとコクトーツインズを併せたような耽美な浮遊感が最高です。
返信削除たまこさん、こんにちは。初めまして。ブログ見ていただき、ありがとうございます。
返信削除SPC ECO良いですよね~。少しでも日本のファンを増やそうと微力ながら頑張っています。ぜひたまこさんも周りの方にお奨めしてください^^。
セカンドアルバムがbandcampにて11/10にリリースされるそうです。今から楽しみです!
いやいや、ホント参考になりまする。もう、益々どんどんSPC ECO好きになるぅ~~止められませんわ~~
返信削除きゃあ、11月に新譜が出るんですか?楽しみです。絶対買う!!
わたしCURVEも今更ながらですけどSPC ECOの香りを醸し出しているようなのでゲットする事にしました(^^)v
お勉強になりまするm(__)m
玉子さん、こんにちは。
返信削除そうなんです、新譜が11月に出ます。ダウンロード(bandcamp)版が11/10で、パッケージ(CD)版が11/25です。
CD版を今予約すると、特典がもらえるそうです!
詳しくはSPC ECOのtwitterをご覧ください。
https://twitter.com/#!/SPCECO
CURVEもSPC ECOが好きならきっと気に入っていただけると思います。
本ブログが少しでも参考になれば...と思います!何かあれば聞いてください^^
ホントにありがとうございますm(__)m
返信削除mixiの方にもお邪魔しちゃいました。
SPC ECO,Curveのコミュの管理人もなさっていたんですね?!
CDは11/25ですか。一か月近くありますね。
レーベルが変わったのではなく、CDはXd Recordsでmp3はbandcampということなのですか?
わたし英語力もないので、本当にgraniteさんの情報は頼りにまります。今後ともどうぞよろしくお願いします
玉子さん、こんにちは。
返信削除以前はUKではElectric Label、USではNoise Plus Music、日本ではQuince Recordsと国によって異なるレーベルと契約していましたが、今回新たにUSのXd Recordsと契約したようです。日本での流通がどうなるのかは残念ながら情報を持ち合わせておりません。今のところ2ndアルバムのCDはこのXdのサイトから購入するしか方法がなさそうです。(USのAmazonでもまだ登場していませんでした。)
bandcampはアーティスト利益がほぼ100%なので、パッケージとか気にしないのであればこちらの方がお奨めです(^^)