元CurveのDean Garcia率いるSPC ECO(スペース・エコー)の2年振りのフルアルバム。
ダウンロード版がbandcampで5GBP(約624円)、CD版がUSのXD Recordsから13.99 USD(約1091円)でリリースされる。
CD版はLimited Editionのようなので、欲しい人は早めに注文したほうが良さげ。
1stアルバムはUK・US・日本で個々にレーベルと契約していたが(UKではElectric Label、USではNoise Plus Music、日本ではQuince Records)、今回はとりあえずUSのみでパッケージ販売が行われるみたいだ。
bandcampは売り上げが基本100%アーティストに入るようなので、迷ったらbandcamp版の購入がお奨め。(非可逆圧縮(mp3など)だけじゃなく、可逆圧縮(FLAC)も選べる。)
収録された12曲のうち、Out Of The Sky EP('10)、Big Fat World EP('11)の2枚のEPから4曲、Curveのカヴァーが1曲で、残り7曲はすべて新曲。
1stアルバムはフィードバックノイズ&スローテンポのドリーミィーな曲が多かったが、今回はダークノイズとビートが効いたミドルテンポの曲が中心となり、前作以上に受け入れられやすくなったと思う。
各曲を簡単に紹介してみる。
"Gone"
"Big Fat World"収録。オープニングを飾るに相応しい、攻撃的なダーク・ノイズが全編を包み込む楽曲。
本アルバムにおいて、Joey Levensonが作曲で参加した唯一の曲。
"Fading Out"
Cocteau Twinsを彷彿とさせる、幻想的・神秘的な曲。
"Calling"
Perry Peloneroが作曲で参加。これもCocteau Twinsっぽいかな。
"Big Fat World"
"Big Fat World"収録。ロック的な疾走感のある曲。ざらついたテクスチャとRoseの淡々としたヴォーカルが伏線になって、サビの高揚感を効果的なものにしている。
ライヴ映像がYouTubeにアップされている。
"Let It Out"
Curveの"Come Clean"に収録の"Something Familliar"のカヴァー。
バックトラックはほとんど同じだが、やっぱりヴォーカルが違うので印象も変わる。
Curveファンはその違いを堪能すべし。
"Forever Each Day"
本アルバム一押しの楽曲。疾走感・ダークさ・切なさ・ポップさが絶妙のバランスで混合されていて、極上のカタルシスを味わうことができる。
Perry Peloneroが作曲で参加。
"All My Love"
"Out Of The Sky EP"収録。ダークでメランコリックでメロディアス。
"Silo Too High"
"Big Fat World"収録。Perry Peloneroが作曲で参加。
"Fall A Million Ways"
Curveの"Sinner"や"Signals and Alibis"を彷彿とさせるダークでサッドネスな曲。
Toniだったらひたすらダークで救いがないような感じになるところを、Roseの優しいヴォーカルだとまだ救いがありそうな感じがする。
ま、Toniの場合はそれが良いんだけども。
"See You On The Other Side"
おそらくPreston Maddoxが参加した曲と思われる。
それ故か、未だかつてないほどのへヴィーな曲に仕上がってる。
"Out Of Reach"
ミニマルにLoopする、ちょっとチープでどこか懐かしいバックトラックと、Roseの優しげなヴォーカルに癒される曲。
" You Tell Me Buzz Mix"
タイトル曲でありながら"Buzz Mix"と題されている不思議な存在。
Portraitの女の子はヴォーカルのRose嬢。
本アルバムの固定メンバー以外のゲストは3名で、Perry PeloneroはMorphemeのメンバー、Preston Maddoxは同じXD RecordsのBloody Knivesのメンバー、Russell KeebleはRoseのボーイフレンドだそう。
若いっていいですね！:)
収録曲
01: Gone
02: Fading Out
03: Calling
04: Big Fat World
05: Let It Out
06: Forever Each Day
07: All My Love
08: Silo Too High
09: Fall A Million Ways
10: See You On The Other Side
11: Out Of Reach
12: You Tell Me Buzz Mix
参加メンバー
Rose Berlin Vocals and Lyrics
Dean Garcia Bass Drums Guitars Vocals and Programming
Joey Levenson Guitar Sonics
Perry Pelonero Space Guitars
Preston Maddox Vocals Lyrics Distorted Bass Loops and Space Keys
Russell Keeble Additional Live Drums
詳しい解説ありがとうございます。bandcampの音源を聴きながら解説を読み、なるほどな～と一々納得しております。
返信削除今回のアルバムは結構ダンサブルな曲が多いですね。
クラブのDJをやっている私の友人に今出ている音源を貸してあげたところ、とてもカッコ良いと高評価でした。いつかクラブのイベントで流してくれるのではと期待しています。フロアもきっと盛り上がりますよ。
購入したCDはすでに発送されたそうなので、首を長くして待っているところです。
Junkoさん、こんにちは。
返信削除前作聴いた人からは、ちょっと退屈という意見もあったんですが、今作は仰る通りダンサブルで、幅広く受け入れられるんじゃないかなと思っております。
自分はCD待ちきれず、bandcampでも買ってしまいました...。:)
でもやっぱり選べるならパッケージが良いんですよね～。歌詞カードとかもあるし...。
お返事ありがとうございます。
返信削除実はgraniteさんの解説を読んでいるうちにどうしても待ちきれなくなって、bandcampで音源を買ってしまいました。
CDはコレクション＋バックアップ用に取っておきます。
DL音源は高くないですから、好きなバンドに対するサポートと考えれば、安いものかな、なんて思っています。
ところで、先日Twitterで相互フォローしているThe CureとCurveのファンの方にこちらのブログを紹介したところ、とても素晴らしいブログだと喜んでおられました。
事後報告になって申し訳ありません。
この方にもSPC ECOを気に入ってもらえたら嬉しいですね。
Junkoさん、こんにちは。
返信削除おお、bandcampで購入されたんですね！自分もbandcampは寄付のつもりで買ってたりします。:)
ブログ紹介、ありがとうございます！お蔭さまでアクセス数も堅実に延びてきています。拙筆ですが、ぜひぜひ皆様に勧めていただければ思います。