2011年2月20日日曜日

The Cure/Galore The Videos 1987-1997

1997年11月。ビデオクリップ・コンピレーション。





86年の"Staring at the Sea - The Images"に続く、シングル曲のビデオクリップを集めた映像集の第二弾。

91年にほぼ同構成の"Picture Show"が出ているのだが、本作のリリース当時すでに"Picture Show"が廃盤扱いになっていたため、致し方なく重複した構成になった。

本作と"Picture Show"との違いは以下の通り。(すべてGalore視点)
  1. 同タイトルのベスト盤がリリースされている
  2. 曲間のアウトテイクが含まれていない
  3. "Why Can't I Be You?"と"Hot Hot Hot!!!"がシングルバージョンになっている
  4. "Wish"と"Wild Mood Swings"からのシングル曲(計6曲)と"Wrong Number"が含まれている
特に4.は重要で、"The Letter To Elise"、"The 13th"、"Gone!"の3曲のクリップが収録されている公式のビデオは本作のみとなる。

スリーヴは赤ちゃんで、"Staring at the Sea"のおじいちゃんと対比させてるような気もするが、詳細は不明。

各曲を簡単に紹介。
("High"より前の曲は"Picture Show"で紹介しているので割愛する。)

"High"
空中庭園が舞台。ディレクターTim Popeらしい、チープさとファンタジーさが同居した素晴らしい出来。凧にのったRobert Smithが可愛らしい。

"Friday I'm In Love"
まるで文化祭のような賑やかでハチャメチャな舞台がモチーフで、見ているだけで幸せな気分になれる。やっぱ黄金期はすばらしい。

"The Letter To Elise"
"Show"のAubrey Powellがディレクション。
雰囲気は"Show"そのまま。ここからはTim以外のディレクターが起用されるようになる。
黄金期最後のビデオクリップ。

"The 13th"
Sophie Mullerがディレクション。
珍しくストーリー仕立てで、Robert Smithを巡っての三角関係を描いている...のだろうけど、今いち意味は分からない。
"Just Like Heaven"に続き、Robertのダンスステップが堪能できる。(相手は女装した男だけど...。)
この時期のRobertは痩せているため、いつもよりちょっと小さく見えたりする。

"Mint Car"
Richard Heslopがディレクション。
"Friday I'm In Love"の映画制作現場バージョンのような作り。
"The Walk"以来久しぶりに日本をモチーフにした場面があるが、それが残念ながらまるで未来世紀ブラジルのような誤った日本観で、非常に複雑な気持ちにさせられる。
"Wild Mood Swings"は元々Robertのソロ作になる予定だったということが背景にあるのかは分からないが、本作と"The 13th"はほとんどRobert一人で映ってて、The Cureにしては他のメンバーの扱いが軽い。
そんなメンバーたちはRobertの影に隠れて各々変装して登場しているが、Roger O'Donnellの当時のガールフレンド・Leslieも出ているらしい。残念ながら確認はできなかったが。
また、この頃からRobertのもみあげが伸び始めて、若干ワイルドさを増すようになってきた。

"Gone!"
Steven Hanftがディレクション。
"Swing Tour"と思しきライヴ映像やバックショットと、プロモーション用に撮られたと思われるスタジオ演奏の映像を組み合わせている。
このビデオの中に登場する初老のご婦人方がホーンセクション隊となっているライヴというのが、Swing Tour中に行われたかどうか確認できなかったので、撮影用のライヴなのかもと思ったりするが、途中で観客がステージに上がってRobertに組み付く場面があって、これは96年8月10日のLosAngels公演で実際にあったことだ(Robertは噛み付かれて(!)首筋に怪我を負ったそう)。
なので、おそらく本当のライヴ映像なんだろうなーと考えている。
ツアーをこなしてきてメンバー間の絆が深まったのか、ようやく各メンバーの見せ場が設けられた。
久しぶりに前髪下ろした髪型をしているSimonが見どころ。
また、ラスト近辺で自動車を運転するRobertが確認できるが、どうもRobertと運転って結びつかないような...。

"Wrong Number"
本作のための撮りおろし。"Friday I'm In Love"以来5年ぶりにTimがディレクターで起用された。
彼らしい、色彩豊かでいつも以上にカオスな映像世界が繰り広げられている。
ビビッドなカラーシャツを着ているRobert、珍しくベレー帽をかぶっているSimonなどが見どころ。
正直残りの3人はほとんど変わらないのでコメントのしようがなくて困る...。
なお、Timディレクションのビデオは2011年現在この曲が最新だ。

日本盤情報
リリース日
1998年1月
発売元
ポリグラム
収録時間
71分
価格
4,700円(tax out)

収録曲

01: Why Can't I Be You?
02: Catch
03: Just Like Heaven
04: Hot Hot Hot!!!
05: Lullaby
06: Fascination Street
07: Lovesong
08: Pictures Of You
09: Never Enough
10: Close To Me
11: High
12: Friday I'm In Love
13: A Letter To Elise
14: The 13th
15: Mint Car
16: Gone!
17: Wrong Number

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