2009年7月12日日曜日

The Cure/4:13 Dream

2008年。13thアルバム。





すっかり夏の五輪と同じスパンでリリースするようになった4年ぶりの新作。タイトルは「フォー・サーティーン・ドリーム」と読む。

The Cure史上最長のラインナップからRoger O'DonnellとPerry Bamonteを脱退させ(突然メールで解雇を宣告されたらしい...。)、Porl Thompsonを約12年ぶりに復帰させて新ラインナップの元で制作された。

この交代劇は賛否両論あるのだが(というか、メンバーチェンジは毎回賛否両論な気もする。)、Robert Smithの気持ちを考えるに、Robertにとって異質な人を加入させてバンドを活性化させたかったように思える。

ただし、知らない人を入れるのはリスクが高いので、旧知のPorlを呼んだのではないかと。

異質、というのは90年のクロスビートのインタビューにて、RobertはPorlの好み(HR/HM)は自分にとって異質だが強く影響を受けたという旨を語っている。

Perryに関してはアルバムのレコーディングではほとんどギターを弾いていない、ということからもThe Cureのサウンドに影響を与えうる人物でなかったことは確か。

RogerはおそらくPorlとウマが合わないのではないかと推測する。

つまり、Porl復帰のためにクビを切られたのではないかと。

90年に一度Rogerが脱退した際に、自分とはうまくいっていたが、どうしても合わない人物がいたため脱退したとRobertが発言している。

95年のRoger復帰時にPorlがいなかったこと、Simon Gallupとは10年以上も一緒にやっていたことから、対象はPorlであると考える。

前作のプロデューサー・Ross Robinsonと合わなかったという話もあるが、今作ではRossは参加していない。

個人的にはRogerとSimonがRobertの良き相談役になって一緒にサウンドを作り上げていって欲しかったのだが、まあメンバーチェンジに一々憤慨していたらThe Cureのファンなんて務まらなそうな気もするし、ここは生温かく見守っていくこととする。

というわけでPorl復帰が影響したのか、本アルバムは原点回帰的な雰囲気が漂う。

とはいえ完全な原点回帰ではなくて、"Wish"以降の仕切り直し的な印象が強い。

つまり、"Wish"の後にPorlが脱退していなかったら?というIFを味わっているような。

オープニング曲"Underneath The Stars"は鳥肌ものの屈指の美しさで、"Disintegration"-"Wish"直系だと思うし、1stシングル"The Only One"は名曲"High"の後継と言えるファンタジーポップだし。

しかし全部がそうであるかというとそうとも言えなくなくて、前作"The Cure"系統の曲もあるし、"The Head On The Door"レコーディング時のボツ曲"Sleep When I'm Dead"が復活したり、"Freakshow"なんてEasy Cureっぽい曲もあったりとどこか散漫な気もする。

正直"Wish"直系というのであればやはりドラムはJasonではなくBorisであるべきだし、それがファンみんなの気持ちでもあると思う。

というわけで結論としては、コンセプトは"Porl復帰おめでとう"で、位置付けは"Wild Mood Swings"Porl版という印象。

ちなみに、本作リリース後にダークな曲のみを収録したコンセプトアルバムがリリースされるという話だったのだが、どうなったのだろう...。

収録曲

01: Underneath the Stars
02: he Only One
03: The Reasons Why
04: Freakshow
05: Sirensong
06: The Real Snow White
07: The Hungry Ghost
08: Switch
09: The Perfect Boy
10: This. Here and Now. With You
11: Sleep When I'm Dead
12: The Scream
13: It's Over

参加メンバー

Robert Smith (Vocal & Guitar & 6 String Bass & Keys)
Simon Gallup (Bass)
Jason Cooper (Drums & Percussion & Loops)
Porl Thompson (Gutar)


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